先週の10月29日(土)、福島県は相馬市の中村第二小学校にてクリニックを行いました。
急遽中学生が一部練習試合が入ってしまったようで参加できなかったようですが、それでも小中高生が約50名集ってくれました。
今回のクリニックはABAのサポートもあり、ABAのCEOであるJoe Newmanからの相馬の子供たちに対する応援メッセージも読ませて頂きました。
クリニックでは、午前中、個人技術の基礎となるハンドリングとバスケットに必要な考え方についてのプログラムを行いました。
グループワーク、ハンドリングに始まり、ボールを失わないハンドリングの重要性を説明、ツーボールドリル、どうやったら勝てるか、時間と得点の関係など「考えてプレイする」こと、シュートのコツ、見てすぐに覚えることの大切さを伝え、締めには課題も出させて頂きました。
午後は複数の相手をどのように突破していくか、個の力で打破することを重点としたプログラムをこなしました。ドリブルスキルに始まり、初めて体験するジャングルドリル。年齢関係なくみんな敵という状態でどうやってゴールまで持って行くかという難しさに戸惑いながらも、みんな夢中でした。
高校生のステーションでは熱い戦いをみることもできました。
そして、だしゲーム。仲間が負けると走ります!みんな元気いっぱいに仲間を応援して、とても楽しそうにバスケットをしていましたよ。ジャングルドリル、だしゲームからは、リバウンドのポイントと重要性も伝えることができました。
クリニックでは個人の基礎技術に加えて、常に時間を確認することや、仲間と協力することなども盛り込まれています。このようなこともバスケットには欠かせないことです。
時間はあっという間でしたが、朝から夕方まで盛りだくさんのクリニックはここで終了、コーチひとりひとりからアドバイスをお伝えいたしました。
そして岩佐コーチの質問「今日楽しかった人~?」には、みんながみんな手をあげてくれ、みんながバスケットを楽しんでくれたことへの感謝の思いでいっぱいでした。
これがきっかけで、バスケットがもっともっと好きになってくれていたら、コーチ陣もとても嬉しいですし、無限大の可能性を信じ、どんどん上手くなっていって欲しいです。
今回はバスケットだけでなく、クリニックにご協力頂いた相馬の先生方からこんなお話を聞きました。
「今日ここにいる子どもたちは、福島原発から20キロ圏内の学校に通っていた子も多く、今は別の学校に通っているけれど部活動は他(外では部活動が禁止されているため)との譲り合いで、週に1、2回しかできない。その為辞めてしまう子も少なくない。(逆に1週間前にサッカーからバスケットに転身して、今回参加してくれている子も。)だからこういう風にバスケットが出来る場があることはとても嬉しい。」
そしてこう続きます。
「でも現状は、この状態がいつまで続くか全く見えない。それは学校だけでなく、家を流されてしまった家族、その周りの人々、その他みんなが、今現在の状況がいつになったら良くなるのか、むしろ良くなる日が来るのかどうかさえ分からない。
テレビで報道されていることは、現実とは違う部分が多いし、情報を受けてから動くので、現場の状況とは異なっているため、自分の身を守るために、自分達で情報を集めなければならない。ただ、事実が分かったところで、逃げたくても逃げる場がないし、逃げても働く場がないので、逃げられないのが本音。
ここ最近では、特に小中高生の女子の間で、将来子どもが生むことができないのではという声を上げる子も出てきている。」
実際に海岸沿いの家々を見ると、土台のみで何も残っていない平地、壁がなく鉄筋がひしゃげて残っている建物、水に浸かったバスなどを目の当たりにし、言葉が出ませんでした。
ただこのような環境に置かれていても、復興に向け一歩一歩進んでいる人たちの力もうかがうことができました。そして、この地に住み、生活し、働き方々がおり、学校に通いバスケットを好きな子どもたちがいるのだということを、改めて知ることができました。
決して簡単ではない環境であっても、バスケットを楽しみ、かけがえのない笑顔を持っています。
我々としてはできることは多くありませんが、「バスケットボール」を通して、少しでも元気になってくれたら、少しでも元気になる人が増えてくれたら、本当に嬉しいですし、その為にできることはすべてやりたいと思います。
クリニック終了後にみんなから「今日は楽しかったので、また来て下さい!!」との言葉を頂きました。我々の方こそ、エネルギーを頂き感謝でいっぱいです。
シーズン後に「必ず来る!」と約束させて頂きました。それまでクリニックの中で伝えたこと練習し、さらに上手くなっているみんなに会えるのを楽しみにしています。
今回クリニックを開催するにあたってご協力頂いたみなさま、ありがとうございました。そして、参加してくれたみんな、どうもありがとう。
我々ジムラッツは相馬の子どもたちとこれからも長く付き合っていく決意です。
みなさま、今後とも何卒ご協力宜しくお願い申し上げます。
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