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2011年12月16日金曜日

加速する進化 ~三澤インタビュー~


インカレは大学生にとって最大にして最高のイベントである。

特に4年生にとっては、学生生活の集大成として、人一倍思い入れが強い大会だ。
彼らの気迫、思いが大会を通じて、ゲームを左右すると言われている。

三澤貴弘は、大学4年生最後のインカレでコートに立つことはできなかった。

全国大会常連の東海大四高から、屈指の強豪東海大に進学した三澤だが、彼のキャリアは順風満帆とは言い難い。大学4年時の春のトーナメントを最後に、ベンチ登録から漏れたのである。

大学バスケを締め括る最後の秋は、悔しさの滲むものだった。

インカレ後の2011年1月、三澤はジムラッツに参戦すべく海を越えた。
このままでは終われないと、強い決意を胸に秘めながら。

あの悔しい日々からちょうど1年が経ち、ABA2シーズン目の折り返し地点に立つ三澤に、今の心境を聞いてみた。


Q. 将来の目標とは?

近い将来、世界で戦えるプレイヤーになることです。

昨シーズンの後半からジムラッツに参加し、今はタフな経験を積ませてもらってます。
来シーズン、日本のリーグでプレイすることを目指し、ここアメリカで次に繋がる戦いをしているところです。

将来的には、日本のリーグで結果を残した後、世界に挑戦したいと考えています。それがどこになるのか、まだ具体的な道は見えていませんが、キャリアを形成する第一歩が今ここABAでのプレーだと位置付けています。


Q. なぜGymratsなのか?

理由は大きく二つあります。

一つはABAという高いレベルでプレーできること。
言葉も文化も違う環境に身を置き、心身共に鍛えることができる。
エリートではない自分が次のレベルに到達するには、厳しい環境に置き、現状を打破していかないと道が開けないと考えています。

もう一つは岡田さんの存在。
岡田さんから得るものはとても多い。ガードとしての考え方や一つ一つのプレーに対するアプローチなど、学ぶべきことがたくさんあります。

今シーズンもGymratsでプレーすることを選んだ理由はそこにあります。


Q. 関東大学1部でプレー後、ABAに参戦した。最初にどんなことを感じたか?

分かってはいたけれど、バスケのレベルが全然違いました。ハンドリングやスピード、パワー、プレーの質などすべてにおいて、日本では経験することができないものを肌で感じることができました。ここでは、コートで起きること全てが自分の成長に繋がっていると感じることができるので、本当にありがたいです。

当然良い面だけではなくて、キャンセルゲームが発生したり運営面が不安定なことはあります。試合当日にキャンセルの連絡が来たり、大学ではまず起きないことがABAでは発生するので戸惑いはありました。


Q. 三澤にとって2年目の挑戦となる今シーズン。昨シーズンとの違いは?

昨シーズンはケガをしていたので、それが不安材料となってプレーに影響を与えていました。それに対して、今シーズンはコンディションもよく、プレーに集中できています。ディフェンスに関しては、積極的に攻める意識を持ち、相手のターンオーバーを誘発するなど、少しずつ手応えを感じています。オフェンスについてもスタッツでは見えないですが、自分なりの結果が出ているので、プレ-していてすごく楽しいですね。

チームとしての違いは、追いつく力が付いていること。20点のビハインドでも終盤に逆転したりと、昨シーズンよりレベルアップしているのが試合運びに表れていますね。


Q. 今シーズンの目標は?

チームとしては5勝すること。昨年からレベルアップしていることを証明したいです。

個人としては、抽象的ですが吸収できるものはすべて吸収し、人間的にもプレイヤーとしても成長したい。

欲を言えば、点を取りたいというのはあります。ただ、チームに求められていることは必ずしもそこではなく、両エンドでゲームに変化をもたらすことができるようになること。だから、スタッツに残るものとしては1試合平均5点と5アシストを目標に、数字では表せないディフェンス面やゲームコントロールでの貢献をしたいと思っています。


Q.前半戦を終えて、見つかった課題とは?

いい意味でもっと空気を読むことですね。今、チームがどういう状態なのか、誰から攻めるべきか、流れを変えるためにどうしなければいけないのか。
状況によってプレーを変えること、ガードとして一番確率の高いプレーを選択できるかが課題です。それはバスケだけに限らず、私生活から改善できることだと思うので普段から意識しています。

チームでは、20点を追いつく力があるので、20点離される前にどう対処するかだと思います。離される時は一気に持っていかれているので、相手に傾く流れを未然に防ぐことができるか、自分たちに引き寄せることができるか、そこの改善が必要だと思います。

Q. 1月からの後半戦に向けて意気込みを。

一度日本に帰国するので、気持ちを切り替え、再度コンディションを上げたいと思います。後半戦も最初からエンジン全開で臨み、良いスタートを切りたい。自分の持ち味であるディフェンスから、リズムを作り、勝利に導けるよう目の前の試合に気持ちを込めて戦う決意です。


常にエネルギー全開のGymratsメンバーの中で、三澤は落ち着いた印象を与える。赤々とした焔を燃やす岡田や岩佐とは対照的に、青々とした高温の焔が三澤の内面から湧き出ている。

物静かな彼だが、今シーズンは意識の変化を感じることができる。英語はそれほど得意でない三澤だが、コート内外で積極的にチームメートとコミュニケーションを図り、フロアリーダーとしてゲームをコントロールしている。

1年前はインカレに出場できなかった。その時からは想像できないが、今シーズンの平均出場時間は30分を超え、元NBAやDivision I 出身の猛者たちと日々しのぎを削っている。この経験は否応なしに、三澤の成長を加速させる。


世界で通用するプレーヤーになる。そう心に決めた。

簡単ではない目標を掲げ、より高みを目指す三澤。

彼の進化はもう止められない。



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