Gymrats HP

2011年12月13日火曜日

岩佐の鼓動 ~シーズン前半を振り返って~


11日のPirates戦をもって、年内の日程を終了したShizuoka Gymrats。1月から始まるシーズン後半戦に向け、束の間の休息期間に入った。Gymratsにとって2シーズン目となる今年は、渡米直後のSan Diego戦に始まり、3週間で8試合をこなし、帰国の途に就く。

この8試合は、菅原が怪我の為、日本人は岡田、岩佐、三澤の3人のみ。ガード陣の層が薄いというリスクを負う反面、3人は多くのプレータイムを得ている。菅原不在の中、コンスタントに点を重ねてきた岩佐に、シーズン前半戦を終えた今、昨シーズンとの違いを振り返ってもらった。



Q. 最初の質問は今シーズンの目標から。

今シーズンの目標はもちろん去年よりも勝ち星を増やすことに尽きる。


Q. 岩佐は昨シーズンからGymratsでプレーしている。なぜGymratsなのか。

チームに対する愛着というのは抜きにして、本質的にはバスケのレベルの問題だと思う。Gymratsというチームでプレーすること以上に、高いレベルでプレーすることに意味があるし、求めている。これはキャリアを積み重ねる上で、一貫して追求していること。


Q. 東京や京都でbjを舞台に3シーズンプレーした。国内のリーグとABAとの違いは。

一番の違いは、選手が全員外国人であること。国内のリーグとはバスケのレベルが根本的に違う。選手のレベル、彼らを取り巻く環境は圧倒的に異なるので、質の高いプレーを求められるし、それを継続して表現できなければ、コートに立つことすらできない。

当然、良い面だけじゃなくて、ネガティブな要素もある。ABAはマイナーリーグだから、ゲームがキャンセルになることもあるし、試合運営についても課題はあると思う。Gymratsのことを言うと、現状トレーナーやマネージャーが現場にいないので、基本的には、全て自己管理する必要がある。限られた選択肢の中から、適切な自己判断が求められる。選手としての環境は断然bjのほうが上。待遇面は明らかだと思う。

但し、こういった選手にとって厳しい環境を求めて、アメリカでのプレーを選択している。ここでは、肉体的にも精神的にもタフでないとシーズンを戦えない。


Q. 今回、静岡ジムラッツはABAに参入して2シーズン目となる。昨シーズンから参戦している岩佐にとって今シーズンはどう違うのか?

まずリーグ全体を通して、今シーズンは選手の質が高い。これは、NBAロックアウトの影響もあると思うけど、対戦する相手は去年よりも格段に強い。Arizonaではセドリック・セバロス(元NABオールスター)がいたし、LAにはNBA経験者が6人もいたしね。

自分個人の違いは、高いレベルでの経験値。去年よりも、精神的に余裕が出てきていると感じる。勝負所でも切らさず、質を保っているよ。肉体的な面では、毎年改善を積み重ねているから、特に今年はっていうことはないけど。年々上がってきている。


Q. チームとしての違いは。

外国人選手が昨シーズンとほぼ全員入れ換わって、バスケの質が段違いに良くなっている。



Q. 前半戦を終えて、個人としての課題は。

個人の課題は、とにかく勝負どころで、主導権を握れていないことかな。勝負所で外国人選手が熱くなるとゲームメークに難しさを感じる。自分を含め、ガード陣が主導権を握るようにすること。


Q. チームとしての課題は?

勝ち方を外国人選手と共有することかな。

日本人と外国人のバスケに対する考え方、価値観というか、哲学は一緒じゃないからね。育ってきた環境や、身に付けたバスケの違いはあると思う。

テンションだけでプレーしてしまう局面があるから、その時に日本人の思うコントロールを理解してもらえるかが課題。みんな自分を持っているから、それが良い方向に行くよう、手綱を放さないようにしないと。


Q. 1月から始まるシーズン後半にむけて抱負を。

今の平均点(前半戦の1試合平均22点)よりも10点近く上げていきたいと思っているよ。

チームメートからの信頼は得ているけど、まだまだ自分の理想とはギャップがある。年内の試合でだいぶヒントや確信を得ることができたから、後半戦は、とにかくチームの勝利に貢献する。

繰り返しになるけど、勝負どころで主導権を握るようにすること。つまり、チームメートをマネージし、チーム全体を持ち上げ、勝敗を左右する影響力(支配力)を持つ選手であること、それをシーズン後半では示したい。


昨シーズンに比べ、岩佐には大きく変わったことがある。

それは、勝負所を見極める嗅覚の鋭さと、試合を通してブレなくなったことだ。

Gymratsは、昨シーズンに続き、試合の立ち上がりに課題を抱えている。えてして序盤からリードを許す試合展開が多いのだ。

しかし、昨シーズンに比べ、今シーズンのGymratsはリードを許した相手にそのまま突き放されず、逆にじわじわと点差を詰め、終盤に逆転するケースが増えている。

これは、岩佐がコンスタントに点を積み重ね、勝負所でシュートを沈めているからだ。LA Slam戦では、残り15秒で同点弾をきめた。これは、彼が言う高いレベルでの経験値を積み重ねてきたことに起因しているのだろう。


シーズン後半はゲームの主導権を握ると宣言した岩佐。


1月から始まる後半戦、勝利に導くショットが、岩佐の手から放たれる。

そんなシーンが数多く見られることを期待したい。



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